• 2011-03-29 02:49:09
  • 今だからできること:価値観を見直す
今だからできること:価値観を見直す

マグニチュード9を記録した東日本大震災で、地球の軸が16.51センチずれ、一日が、百万分の一(1.8マイクロセカンド)秒短くなったことをご存知の方は、多いと思います。
大地震は、こうした物理的な変化だけでなく、地球の一部である私たちの精神にも、大きな影響を与えました。

自分にとって何が一番大切なのか。
今の自分に、なにができるのか。
電気や水の大切さを見直す人々の数と同じくらいたくさんの方々が、今回の地震をきかっけに、自分自身の内側に気持ちを向けるようになりました。
助け合おうという意識が、地球規模でわきあがっていることも、特筆に価する現象といえるでしょう。
なかには、沈殿していた泥が、かき回されて、水をにごらせるように、未解決の出来事が心の中に浮上し、戸惑った方もおられましたが、今回は、地球のエネルギーの変動に助けられるかのように、泥が再び沈殿することなく、自ら問題にけりをつけ、前向きに生きられるようになっています。

戦前の日本は、天皇を頂点とした価値観で動き、戦後の日本は、マテリアル優先の価値観で繁栄しました。バブル経済崩壊後、指針を失ったようにみえる時期が続きましたが、今回の大地震が転機となり、ちょうど、土の中でその日を待っていた種が芽を出すように、愛、バランス、調和といった新しい価値観が芽ぶいたように感じます。

その芽をどうやって育てていくのか。

その方法のひとつとして、津波・地震の被害をさらに拡大した原発事故について、私たち一人ひとりが、真剣に考えることがあげられると思います。

現在、日本では、17か所の原子力発電所で54基の発電用原子炉が稼動しています。(出典:社団法人日本原子力産業協http://www.jaif.or.jp/ja/nuclear_world/data/f0302.html

安全管理は万全だといわれていても、廃棄物が環境を破壊し、事故が起これば、大勢の人々が病で苦しむ。
福島一箇所の事故であっても、京都で買う茨城県産のミズナから放射性ヨウ素、放射性セシウムが検出される。
そうした事実が明白になった今でも、54基の原発を閉鎖できないのは、日本が、エネルギーの80%近くを海外に依存し、原発が、国内で使用する電気の約30%を発電する基幹電源として重要な位置をしめているからです。

しかし、だからといって、事故が起こる可能性があり、事故対策がほとんどないに等しい原発に依存し続けていいものでしょうか。

原発によって得られていた恩恵を手放し、原発を放棄することで対峙するであろう新たな挑戦に立ち向かう強さを身につけること。
それが、ノーモア広島といいながら、再び、原子力の被害を体験している今の日本の課題ではないかと思います。

何かを手放すというのは、辛いものです。たとえ、それがもう役に立たなくなったもので
あっても、慣れ親しんだものは、おいそれと手放せないのが人間だからです。
それでも、何かを手放せば、空っぽになった手のひらには、必ず、新しいエネルギーが流れ込んできます。

「失敗は、成功の元」という言葉は、失敗に気づき、次に失敗しないための対策をたて、それを行動にうつした人のためにあります。

心を開いて、くじけずに、21世紀にふさわしい価値観を一緒に育んでいきましょう。


*原子力発電所で働き、ガンでなくなった1級プラント配管技能士平井憲夫さんが書かれた「原発がどんなものか知ってほしい」http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html を友人が、送ってくれました。
ただ漠然と、原発は危ないと思っている私たちに、原発の現状を的確に伝えてくれる貴重な資料ですので、原発について考える際の参考にしていただければ、幸いです。

鶴田育子







  • 2011-03-26 00:50:13
  • 祖国日本へ愛をこめて
震災からすでに10日以上たって、今度は、被爆の危険性がたかまっているようですね。
現場の作業員が、直接被害をこうむるというのは、実に痛ましい限りだと思います。

だからといって、気の毒だといってばかりはいられない。
自分にできることをしっかりやるしかありません。

友だちが、リンク送ってくれました。こんな活動もあります。

http://www.youtube.com/watch?v=SxzWNQGCogo

Please watch this video we created to the people of Japan.
We asked people on the streets to give messages to the earthquake
victims of Japan, a lot of people offered their support. They all gave
heartwarming messages, and this is the video we put together.
Kizuna311 is planning more things to help bridge the world together,
so we ask you to please give us your continued support.

http://prayforjapan.jp/message/?lang=en

http://jsf.sitemix.jp/

みなさま、ご自愛を

鶴田育子

  • 2011-03-23 08:56:06
  • 賢明な判断を下す方法
前回お伝えした適切な情報を収集する方法に続き、今回は、賢明な判断を下す方法についてお話します。(前回の内容は、www.tsurutaikuko.com でご覧になれます。)

スイスの精神科医ユングは、人には、もって生まれた「指向」があり、それによって、ものの見方、考え方、行動のしかたが異なると提唱しました。このユングのタイプ論を元に開発された性格検査MBTIでは、「指向」による判断のしかたの違いを次のように説明しています。(MBTI詳細は、こちらをご覧ください。http://lalife.greater.jp/mbti/)

A 思考機能を外に向けて使うことを指向する人は、思考機能を使って自分の周囲の世界に接し、てきぱきと物事を決め、論理的、分析的にとらえる。

B 思考機能を内に向けて使うことを指向する人は、思考機能を使って自分の周囲の世界に接し、情報や考えを理論的に評価する。

C 感情機能を外に向けて使うことを指向する人は、感情機能を使って自分の周囲の世界に接し、てきぱきと物事を決め、協力的で思いやりのある対応をする。

D 感情機能を内に向けて使うことを指向する人は、感情機能を使って自分の内面の世界に接し、思いや価値観にのっとった情報や考えを評価検討する。


賢明な判断を下す練習

東日本大震災の取材のため、日本に行っていたテレビ局勤務の知り合いが、先日、ロサンゼルスに戻ってきました。知人が、帰りの飛行機の中で、日本人と隣り合わせになったので、なぜ、アメリカに行くのか聞いたところ、「被爆の可能性がある日本にはいられない。だから、現金とパスポートだけもって、空港にかけつけ、一番早くアメリカに着く飛行機の切符を買った」とのこと。知人がさらに、その人に、アメリカに着いてからの予定を聞くと、「何とかして、できるだけ長くアメリカにとどまりたい」といいながらも、これといった計画は、なかったそうです。

情報収集のしかたでもお伝えしたように、「指向」とは、個人がより優先的に使う考え方、行動のしかたの傾向です。Aしか使えない、Bだけ使うというものではなく、だれもが、大なり小なり、全てのやり方を使っています。

ですから、知人が飛行機の中で隣り合わせた日本人も、2001年の9・11以降、米国の永住権取得、米国内でのビザ延長および切り替えが、とても難しくなっていること、不法労働の取締りが強化されていること、ベトナム戦争の難民と同じ心境で、日本を飛び出しても、アメリカに観光ビザで入国してくる日本人は、難民扱いされないことを少しは、考えただろうと思います。
しかし、その日本人は、あえて、着の身着のまま、日本を脱出する道を選びました。そして、無事、アメリカに到着したわけですが、もし、その日、空港で実施されていた放射能被爆反応検査に引っかかっていたら、その日本人の生活は、のっけから想像もしない展開になっていたに違いありません。

その人の判断が賢明かどうかは、その人自身が決めることです。それでも、日ごろから、A、B、C、Dすべての方法を使って判断を下す練習をしていれば、「しまった!」と思う回数が、減るのは確かです。また、たとえ、「しまった!」と思うことがあっても、「あのときは、精一杯考えて決断したのだから」と、潔く思えるので、立ち直りが早くなり、行動の結果を前向きに対処できるようになります。

判断を下す際のヒント

みなさんご存知のとおり、今、世界中で、日本の復興を願う募金活動が行われています。
そのため、義援金提供の機会が、日常生活の中で、たび重なるという事態が、生じています。この間、個人で義援金を出したばかりなのに、今度は、自分が働く部署で義援金を集め始めた。スーパーマーケットでも、子供の通う塾でも、スポーツクラブでも義援金を頼まれるといった具合です。

人間、霞を食べて生きているわけではありませんから、ない袖は触れません。でも、義援金という「大義名分」を目にすると、お金を入れないことに、心苦しさを感じたり、肩身の狭い思いをしてしまうことがあります。

そんなときは、深呼吸をして、原点に戻りましょう。

義援金は、お金を出す人の「少しでも役にたちたい」という気持ちの現れです。
子供が、思案の挙句、お小遣いの7割を「日本に送って」と親に差し出したとき、周りの大人は、ほのぼとのとした感動を覚えます。その子の気持ちが、米国赤十字社を通じて被災地に100万ドルを寄付したアメリカの女優サンドラ・ブロックさんの志に勝るとも劣らないほど尊いものであることをみんなが理解しているからです。

義援金は、「できることをしたい」という気持ちを現すひとつの形です。ですから、募金プレッシャーに負けそうになったときは、「今、私にできることは何か」、「私にしかできないことは何か」を自分自身に問いかけてみましょう。
「役に立ちたい」という真心が原点になっていれば、必ず、自分の内側から、何をすればいいのか、答えが自然にでてきます。


受身ではなく、積極的な判断を下すためのヒント

1)地震警報などの緊急情報を見逃さないため、テレビをつけっぱなしにし、否応なく、被災地の状況を繰り返し繰り返し見ているという方は、「今、自分にとって、何が一番大切なのか」、意識的に、自分自身に問いかけることで、知らず知らずのうちにたまっていた不安が、解消されます。

家族が一番大切だと思った、花の美しさが、かけがえのないものに思えた、支援活動の輪が広がることでエネルギーが沸いてくることを自覚したなどなど、自分にとっての優先順位が明確になり、肝が据わってくるからです。

2)お金のよゆうがない、体調が悪いなど、自分を維持するだけで精一杯の方は、被災現場で、一生懸命努力してくださっている方々の労をねぎらい、感謝と賞賛の気持ちを声にだして言ってみましょう。
現場で働いている方々だけでなく、雨露しのぐ屋根があること、ご飯が食べられること、食材を作ってくれた人々のことに思いを馳せて、感謝し続けると、気持ちが軽くなり、表情が和やかになってきます。なにもしていなくても、和やかな表情を見て、周りの人の気持ちが和らぎます。

3)もし、自衛隊なんだから、消防隊員なんだから、原子力発電所の社員なんだから、やるのが当たり前だと思っている人が周りにいたら、それが、本当に当たり前のことなのかどうか、問いかけ、その人の「当たり前」が、実は、「当たり前」ではないのだと気づくきっかけを作ってあげましょう。
放射能を浴び、健康を害する危険があっても、働かなければならないという就業契約などどこにもありません。


発想の転換、柔軟な対応を念頭に置いた判断のヒント

就業時間後、1-2時間の残業は当たり前、退社時間が、夜の10時、12時になることも当たり前。日本の「当たり前」は、アメリカに住んでいるものから見ると、残念ながら、異常です。
ここは、日本だ、アメリカじゃない。日本には日本のやり方がある。そういって突き進んできた日本が、今、直面している困難は、これまでの「やり方」を見直し、新たな工夫をするための機会だと捉えることもできるでしょう。

そこで、

1)夜は、家族と過ごしたり、一人の時間を楽しむために使い、早寝を心がける。早寝をすれば、朝起きられないという悪循環を断ち切ることができますから、健全な生活が実現し、精神衛生の向上が期待できます。

2)夜の残業、ネオン街の飲み歩きが減れば、電力の重要もおのずと減りますから、原子力発電に頼る必要がなくなります。

3)リーダーがいない、会議が多いなど、緊急事態の対応を遅らせるシステム上の問題が浮上しているのなら、円滑な活動ができるような新しいシステムの構築を考えましょう。

4)放射能被爆が懸念され、被災者に物資を届ける人がいないのなら、日本の技術を駆使したロボットを活用して、物資の搬送してみてはどうでしょうか。

5)「当たり前」を優先したために、電気が足りなくなり、原子力発電所を立てた。しかし、今回の放射能漏れ事故で、原子力発電が、どれほど環境を破壊し、人類の存亡にかかわる危険なものであるかが、明白になった。ならば、今こそ、風力発電や水力発電など、自然を利用したエネルギーの開発を考えてみるチャンスではないでしょうか。


今できること

被災地の住民が、肩を寄せ合い、暴動や窃盗を起こすこともなく、整然と避難所での生活を続けている姿は、アメリカ人からみると、驚嘆すべき事実です。
「ニューヨークであんなことになったら、今頃、どうなっていたことか。そこにくると日本人は」という賞賛の言葉を私は、アメリカ人の友人・知人から、何度となく聞きました。

日本には、ノーベル賞級の科学者がたくさんいますし、海外の学会で、高く評価されている研究者も、大勢います。
異なる指向をもつ私たち一人ひとりが、「助け合いたい」、「未来を生きる子供たちに、平和で安全な世界を残したい」という真摯な気持ちで、一生懸命考えれば、可能性は、それこそ、無限に広がります。

感謝する、平和な未来を思い描く、今、自分にできることを精一杯やる。

そうれば、表面張力で盛り上がっていたコップの水に、最後の一滴を落としたときのように、変化は、ある日突然、もしかすると、明日かもしれないある日、一気にやってくるのです。

鶴田育子

2011/03/20













  • 2011-03-20 01:21:42
  • 適切な情報を収集する
適切な情報を収集する

東日本大震災から一週間たった今でも、ロサンゼルスに住む私のところには、アメリカ人の友人、知人から津波による被害者を悼み、一刻も早く日本に平和が訪れることを願うメールや電話が入ってきます。
実際、日本では報道されていない遺体そのものが写っている写真や放射能を浴びた人々の克明な生活描写だけ見ていると、日本の国土すべてが壊滅し、廃墟となるのも時間の問題といった印象を受けますし、放射能排除物質を手に入れるため旅立つ「宇宙戦艦ヤマト」が、架空のストーリーではないような気がしてきます。
ところが、その一方で、私が、やり取りをしている日本の企業の担当者の方々は、現状を憂慮しながらも、ちゃんとメールの返信をくださるのですよね。つまり、被災地以外の日本の街はほぼ正常に機能し、人々は、普通に働いているということです。
いったい、真実はどうなっているのか。
そこで、日本の報道をオンラインで見てみると、原子力発電所に放水したというニュース、放水できなかったいうニュース、放水しているというニュースがほぼ同時刻で報道されており、狐につままれたような気分になりました。

適切な情報は、賢明な判断を下すためになくてはならない要素です。
どのようにして、どのような情報を手に入れるかにより、その後の展開が大きく変わることを考えれば、適切な情報を収集する能力は、生死にかかわるスキルだといっても過言ではないでしょう。
そこで、今回は、「緊急時に心身の健康を維持する方法」の二回目として、「適切な情報を収集する方法」について、お話します。

人は、情報を収集する際、自分にとって一番、興味関心のあることを優先的に調べていきます。

例えば、高速道路拡張工事が議題となっているとしましょう。

Aさんは、何車線ふやすか、工事には、どのくらいの期間が必要か、工事中の迂回路は、どうするか。

Bさんは、過去の実績から、車線を増やした場合の通勤時間短縮は、何分か。工事に使われる費用と工事終了後の渋滞緩和で得られる利益の採算は取れるか。

Cさんは、高速道路拡張以外に、渋滞を緩和する方法はないか。車線を増やす場合、どの部分を拡張するのが最善か。

Dさんは、周辺市民への影響はどうか。これまで、高速道路拡張に伴う市民との交渉に平均何ヶ月かかっているか。それを元にどのような対策がたてられるか。

こんな風に、ひとそれぞれ、収集したい情報が違うのです。
スイスの精神科医ユングは、こうした個人の興味関心のあり方を「指向」と呼び、利き手同様、人は、知らず知らずのうちに、もって生まれた指向を日常的に使っていると提唱しました。
私が、専門に扱っているアセスメントのひとつMBTI(エム・ビー・ティー・アイ)は、ユングのタイプ論を元に開発された性格検査です。現在、40数ヶ国語に翻訳され、年間3百万人以上の人が、自分の指向を把握し、リーダーシップの開発、チームワークの育成、コミュニケーションスキルの向上、ストレスマネジメント、効果的な学習方法の開発などのスキルアップに応用しています(MBTIについては、こちらをご覧ください。http://lalife.greater.jp/mbti/)

MBTIでは、「指向」の違いによる情報収集のしかたを次のように説明しています。

A 視覚、聴覚などの感覚機能を外に向けて使うことを指向する人は、感覚機能を使って自分の周囲の世界に接し、その場で起こっていることについて、実用的な視点から考え、自由に、柔軟に対応していく。

B 視覚、聴覚などの感覚機能を内に向けて使うことを指向する人は、感覚機能を使って自分の内面の世界に接し、実際の経験を通して情報を集め、精度を高めていく。

C 閃きや内観などの直感機能を外に向けて使うことを指向する人は、直感機能を使って自分の周囲の世界に接し、今後起こりうる可能性、考えやアイディア、物事の背景にあることに意識を向ける。

D 閃きや内観などの直感機能を内に向けて使うことを指向する人は、直感機能を使って内面の世界に接し、様々な考えや、今後起こり得る可能性を統合し、総合的なイメージを作っていく。

Aしか使えない、あるいは、Bだけ使っているという意味ではありません。誰もが、A、B、C、D、全てのやり方を使って情報を収集しています。ただ、意識していないと、優先順位が固定され、収集できる情報に偏りがでるということです。

では、どうすれば、バランスのよい情報収集ができるのでしょうか。

まずは、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの質問を見て、自分が誰に一番近いか、考えてみます。
そして、もし、自分が、AさんやBさんのように細かい調査結果や実用的な情報を重視する傾向があるなら、情報提供者の意図や提供された情報を利用した場合の可能性についての情報も集めるように心がける。Cさん、Dさんのように、この先どうなるのかという見通しを立てるための情報を重視する傾向があるならば、見通しを裏付けるための過去のデーターや現状を把握するための数字も集める努力をするように努力してみるのです。

右利きの人でも、左手を使うことができ、練習すれば、利き手でない手を利き手と同じくらい上手に使えるようになるように、「自分のやり方」+「違う指向での情報収集」を意識的に心がけると、無理なく、多角的な情報収集ができるようになります。

慣れるまでは、自分と違う指向を持つ人、つまり、自分が思いつかないような質問をする人の話に耳を傾けるのも、いいでしょう。
人は、往々にして、自分と違う意見をいう人の話を拒絶してしまいがちです。しかし、違っているからこそ見える視点があることは事実です。
三人寄れば文殊の知恵。一人で集めた情報だけでは、判断がつきかねるときは、周りの人
が集めた情報にも耳を傾けてみましょう。
ただし、情報の出所を確認することを忘れずに。「噂」ほど危険なものはありません。

情報源として、もうひとつ、見逃してはならないものがあります。
それは、自分自身の体です。

今回の地震発生前後に、体調を崩された方、体調を崩した方を知っていらっしゃる方は、少なくないと思います。本来、人間が、動物であることを考えれば、自然異変を予知した結果とも考えられるのですが、私も含め、体調を崩した方の大半が、なんか調子が悪い、どうしたんだろうと、自分自身を責める傾向にありました。
しかし、こんなときだからこそ、人間が、地球の一部であることを思い出し、地球の一部である自分の肉体が、どう変化しているのか、自分自身が、何を感じているのかということにも、注意を払いたいものです。

人間には、生き延びようとする本能が備わっています。飛び交う情報に振り回され、おろおろしたり、イライラしたりするときは、「私は、絶対大丈夫」と自分自身にささやいてあげましょう。
レモンを想うとつばが出るように、体は、頭で考えることに反応するようにできています。頭が不安でいっぱいになっていれば、体は、本来、備わっている能力を十分に発揮することができません。しかし、人類の歴史を生き延びてきた遺伝子を持つ自分の体に敬意を払い、体の声に耳を傾ける謙虚さを持っていれば、体は、必ず、最善の働きをしてくれます。

「You know more than you know.」人間は、自分が思っている以上に、必要なことを知っているものなのです。


鶴田育子

2011.3.19





  • 2011-03-14 10:28:46
  • 緊急時に心身の健康を維持する方法
日本が大地震に襲われ、生活に影響が出ている方が心安らかでいられるように、今回は、「緊急時に心身の健康を維持する方法」をお伝えしたいと思います。

A:まず、予期せぬ出来事に直面したときの体の変化について
過剰なストレスを脳が認識すると、背骨の中を通っている自律神経の束の交感神経が興奮し、副腎髄質からアドレナリンが血中に放出されます。すると、運動器官への血液供給が増大し、心拍数や血圧が上昇。感覚器官の感度を上げるため、瞳孔が散大し、大量の酸素を体内に取り入れられるように気管支平滑筋が弛緩します。その一方で、戦うか逃げるかに必要のない消化管運動は低下し、末端の皮膚や粘膜の血管は収縮。痛覚も麻痺していきます。
体は、ショックを受けた瞬間のこうした1)警告反応期、戦うか逃げるかのモードを維持する2)抵抗期、そして、ショックが遠ざかったときの3)困憊期というプロセスを経て、恒常性を保つようにできています。人間の体は、自分で意識するか、しないかにかかわらず、自動的に、一分の無駄もなく、これだけのプロセスを確実にやってのけているのです。
予期せぬ出来事に直面すると、気が動転し、自分でも何をしているのかわからなくなり、それがいっそう自らの不安を掻き立て、さらに動転してしまうということが起こります。また、動転している人を目の当たりにして、どう対処すればよいのかわからず、右往左往する自分に無力感を感じるということも、少なくありません。
そんなときは、是非、人間の体が、生命の歴史に支えられ、生きるために機能するようにできているのだということを思い出してみてください。
必ず、気持ちが、ずん、と落ち着きます。頭で考えてどうしようもないときは、体に任せてしまうのです。

B:パニック症状に対する対処
身内の悲報を耳にしたり、自らが、死を意識するような危険な目にあうと、パニック症状を引き起こすときがあります。心臓がどきどきする、呼吸がうまくできない、宙を漂っているような感覚の変化、視野狭窄、死への恐怖などを体験するのがパニックの症状です。
身近な人が、パニック症状をおこしたときは、まず、力強く、手を握ってあげる。穏やかな声で、こちらの目を見るように伝える。相手がこちらを見たら、視線をはずさないで、今、体は、どんな状態か、どこかに痛みがあるか、その痛みは、どんな色をしているかなど、声をかけてあげましょう。
パニックは、脳が、警告反応を起こした体の変化をコントロール不可能と認識し、その不安に応じて、体がさらに硬直している状態なので、コントロール不可能に釘づけになっている当事者の意識を徐々に、拡散してやればいいのです。この間は、楽しかったねなど、まったく関係のないことを話しても、当事者の意識は耳をかしませんから、当事者の関心事である体の状態に焦点を当てながら、話をするのが、ポイントです。
自分自身が、パニックを起こし、周りに介助してくれる人がいないときは、「今だけ今だけ、一過性」と心の中で繰り返しましょう。鼻をつまむのも、効果があります。
パニックは、当事者が、呼吸困難だと錯覚するため、より多く息を吸い込もうとしてる場合が多く、そのため、体は、過呼吸状態になっています。だから、鼻をつまむことで、入ってくる酸素の量を調整してやるのです。
パニックで死ぬ人はいません。
確かに、パニックは、死んでしまいたくなるほど恐ろしいものではありますが、パニックでは死にません。極度に緊張すれば、必ず虚脱状態で弛緩するのが、人間の体です。だから、「今だけ、今だけ、一過性」これで、必ず、その場を乗り切ることができます。
また、一回乗り切ることができると、同じことが起こったらどうしようという予期不安が起こっても、いや、前に一回なんとかできたのだからと今度も大丈夫かもしれないという希望を持つことができるようになるので、再発の可能性が減っていきます。

C:予期不安を好転させる
地震、停電、断水、原子炉の爆発など、次から次に災害が起こると、今度は、何が起こるのか、もっとひどいことが起こるのではないか、そうなったらどうしようという予期不安が起こります。予期不安を持っていると、予期したとおりの不安な状況に遭遇したとき、不安が確信にかわります。そのため、やっぱり思ったとおり悪くなった、今度は、もっと悪くなるだろうという不安がさらに高まり、悪循環が始まってしまうのです。
連日報道される災害地の様子は、確かに情報として貴重ではありますが、予期不安を駆り立てる最たるものであることも、事実です。
9・11のとき、アメリカのテレビは、これでもかこれでもかというように、飛行機がビルに突撃していく様を報道し続けました。その結果、人々は、日ごとに、怒りと恐怖を募らせていきました。ブッシュ政権が、人々の恐怖をさらに煽って、再選していった過程は、記憶に遠くない事実です。
情報収集は、大切です。しかし、必要以上の情報を垂れ流されるままに、受け入れることはありません。
一度見たシーンを何度も何度も繰り返し見るのは、潜在意識にその光景をインプットして成績を上げるためのイメージトレーニングで活用されるテクニックです。
繰り返し見るというのは、そのくらいパワフルなことなのです。
もし、不安になったら、テレビのスイッチを入れるのではなく、目の前にある動かないものを見つめてみましょう。自分の手のひらでもかまいません。
「生きている。いま、私は、生きている」。その事実に、心が釘付けになると、情報を求めて右往左往していた心が、静まっていきます。

D:視点のズームを引いてみる
世界中の人々が、今、この瞬間も、日本の国土、日本の人々に心を向けていることに気づきましょう。
今日の水は、どうするか、仕事はどうなるのかなど、目先のことに気をとられていると、視野が狭くなり、実は、もっともっとたくさんの選択肢があるのだということを忘れてしまいがちです。しかし、海外に住んでいる日本人はもちろんのこと、日本人の知り合いがいる、一度、日本へ行ったことがある、日本は憧れの土地でいつかいきたいと思っているというたくさんの人々が、それぞれのやり方で、世界中のあちこちから、今の日本、そして、日本に住んでいる人々のために、祈っているのです。
鰯の頭も信心からというのは、日本の昔からのことわざ。信じること、念じることのパワーは、決しておざなりにはできません。
まして、多くの人が、心をひとつにして祈ったときのパワーはいかほどであるか。
日本が、今、体験している苦しみと同じくらいの癒しと愛のパワーが、全世界から日本に向かって発信されている様子をたとえ一秒でもいいですから、イメージしてみましょう。
もし、心が暗くなりかけたら、明けない夜はないのだという原点を思い出しましょう。そして、そらを見上げてみる。曇っていて、あるいはビルの陰で、お日様はみえないかもしれませんが、お天道様は、どんなときでも、頭の上から、私たち一人ひとりを照らしてくれています。明けない夜はない、それが、地球の摂理です。

最後になりましたが、海外で日本のことを見守っていらっしゃるみなさま、どうぞ、引き続き、日本の国土が、そして、そこに住む人々が、癒しの光に包まれるイメージを思い描きながら、「一番よくなる、必ず上手くいく」と祈っていきましょう。

鶴田育子



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